2016年3月19日土曜日

【グッドイヤー】360度 回転するタイヤは普及するか?

アメリカのタイヤメーカー・グッドイヤーが「360度回転する球体状のタイヤ(Eagle-360)」を開発中らしい。既に開催中のジュネーブモーターショーへ出品されてるらしい。グッドイヤーといえば昨年の東京モーターショーにも「発電するタイヤ(BH-03)」を発表して話題になりましたが、それに続いての衝撃。

でもこの球体状のタイヤ「Eagle-360」は本当に普及するんでしょうか?


自動運転技術への応用

まず「Eagle-360」の詳細を簡単に見ておくと、360度回転すると聞いて真っ先に思い付きますが、こんな感じで車体の向きを変えずに障害物を避けることが可能です。便利。

そして個人的に便利だと思ったのが、直角的な動きができるので狭い場所でもスススっと簡単に駐車ができる。ちなみに「Eagle-360」にはセンサーが無数に埋め込まれているので、それらを使用して車庫入れということです。

つまり360度回転するタイヤは「自動運転技術の延長線上にあるタイヤ」と解釈した方が正しいかも。だからセンサーを使ってタイヤが擦り減った部分を自動的に避けて走行できたりもするらしく、タイヤ一本あたりの寿命もかなり伸びそう。

またハイテク技術だけではなく雨が降ったウェットな路面状況だと柔らかくなり、逆にドライな状態では硬くなる素材を採用することでハイドロプレーニング現象の防止したり、走行性能が増したりもするそう。


グッドイヤー(Goodyear)が開発中の「360度回転する球体状のタイヤ」の詳細は動画でも見てください。ちなみに英語オンリーです。


室内空間が犠牲になる

少し説明が長くなりましたが、では「Eagle-360」という球体状のタイヤは普及するのか?この疑問に対する答えを先に書いておきますと「普及しない」と言えます。もはや断言してもいいぐらい?

その最たる理由が「車内スペース・室内空間が犠牲になりすぎる」ということ。とにかくタイヤがめちゃめちゃデカい。正確に言うと普通のタイヤと違って、球体状の物体を車の下に配置すると「横に対するスペース」を異常に奪ってくれる。


画像を見てもらったら一目瞭然ですが、一体どこにドライバーや同乗者が乗んねん?と(;´Д`) この動画を見る限り、ほぼほぼ人が乗ることを想定されてない気がします。

しかも日本の法律ではフェンダーからタイヤがハミ出ちゃいけなかったはずなので、この360度回転タイヤは車内空間になおさら食い込んでくるのは容易に想像が尽きます。

百歩譲って車高が高い巨大SUVやピックアップトラックだったらいざ知らず、軽自動車やコンパクトカーにはゼッタイ装着できません。おそらく前後に二つ装着するだけで精一杯で、もはやバイクになっちゃう的な勢い(笑)

そして動画でコメントもされてましたが、「めっちゃカッコいいけど、めっちゃコストと時間がかかるんだったらダメダメじゃね?」みたいな指摘もありました。1本100万円200万円もするタイヤを、それこそ誰が買うねんという話でありましょう。


結論と球体タイヤの今後の希望的観測

冒頭でも書いたグッドイヤーの「発電するタイヤ(BH-03)」然り、ドアミラーが不要なミラーレス車が解禁されるなど、最近未来的と思われた技術が次々と実用化されつつあります。

だから同じようなノリで考えてしまいますが、「360度回転する球体状のタイヤ」は実用性が少なく、デメリットが大きい。カメラを搭載する的な軽いノリではないので、面白いアイデアで先進的な試みではありますが、やはり現段階では普及する可能性は極めて低いと自分は考えます。

でもバスやトラックといった大型車に装着される可能性はありそう。車体が大きすぎるが故に真横に動いて駐車できるメリットは大きく、車内スペースの減殺も知れています。

またタイヤ自体をものすごく小型化して、装着する数も倍ぐらい増やす。360度回転するタイヤだから運転席下など、どこに配置しても問題ないはずなので、車内スペースを消さない配置にすることは可能かも。

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