2016年2月5日金曜日

自動車保険加入率は事故が多い都道府県ほど高かった?

自賠責保険で万が一に足りない場合に保障を補うのが任意保険(自動車保険)。自賠責保険の加入は法律で義務化されてます。というか車検を通すときに強制的に保険料を支払わされます。

ただ任意保険は名前の通り、任意。民間の会社が運営してる保険ですので、ドライバーは必ずしも加入する必要はありません。

だから任意保険の加入率を都道府県別に見てみると、意外に顕著な差があって面白かった。そこで今回はいろいろ考察してみました。


都道府県別の任意保険の加入率

まず日本損害保険協会によると2013年3月末時点で、自動車保険加入率の全国平均は73.3%。2008年3月時点だと72.2%だったので、意外でしたが自動車保険の加入者は増加傾向。「対人賠償とは?」などを説明した記事でも少し触れましたが、交通事故に伴う賠償額が上がってるのが一因かも。

ベストカー2月20日号
そして肝心の都道府県別の加入率を見てみると、上位4県は大阪府と愛知県と神奈川県と奈良県。詳細は大阪が82.1%、愛知が80.9%、神奈川と奈良がともに79.4%。これだけのドライバーが任意保険(自動車保険)に加入してるそう。

改めて言うまでもなく、大阪府も愛知県も交通事故が多い自治体。YouTubeでも荒い運転をされてる方のドライブを見かけますが、大体は大阪か愛知だったりします…とか言ったら怒られるか(笑)

http://uub.jp/pdr/q/a_2.html
実際に2012年の交通事故件数を見てみますと、愛知県がトップの49651件。続いて2位が大阪府の48242件。間に東京都と福岡県が挟まるものの、神奈川県はちょこっと下がって5位(37049件)ではあるものの、どれも交通事故件数が多い自治体と言えそう。

それだけ身の回りで交通事故の発生数が多いと、やはり他人事ではありません。それが被害者であろうが加害者であろうが、身近で多く見かけてることが任意保険(自動車保険)の加入率の高さに繋がっているのかも。

ただ奈良県だけは下位グループ。交通事故件数はわずか5499件。上位と比較すると圧倒的に少ない。この理由を分析すると、堅実な県民性にあると言えそう。例えば、奈良県は貯蓄率で全国一位。東大京大の合格実績でも全国トップクラス。それらが自動車保険加入率にも現れてると言えそう。神奈川県も裕福な自治体だと思うので、経済力が加入率を押し上げてる面がありそう。

ちなみに交通事故件数は47429件と上位の東京都は、自動車保険加入率が78.0%とやはり高め。良いクルマを乗ってるお金持ちが多いのも影響してそう。


下位グループは軽自動車保有率が高い

一方、自動車保険加入率の下位3県は沖縄県が52.6%、島根県が55.9%、宮崎県が57.8%。取り立てて沖縄県の加入率が低い。この理由は明白。何故なら、沖縄県は軽自動車保有率が全国一位だから。島根県も宮崎県も軽自動車保有率トップ10に入ってます。

任意保険の加入率の詳細を更に見てみると、自家用車ユーザーが79.9%加入してるのに対して、軽自動車ユーザーは68.1%どまり。つまり軽自動車が多い自治体ほど、自動車保険の加入率が下がってる。前述の件も絡めると、自動車保険の加入率は「経済力」もモロ影響してくると言えそう。クルマは高い買い物でもある以前に維持費もバカになりませんので、致し方ない結果かも知れません。

でも逆に考えると、これらの地域で交通事故に遭ったら、被害者は何の補償もされない可能性が高いという裏返し。だから加害者視点で加入の是非を考えるのではなく、「自分が被害者になったら?」という視点で自動車保険の加入の是非を考えた方が良い気がしました。

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