2015年11月5日木曜日

【VW排ガス問題】 国沢光宏がネットの批判についに反論した件

フォルクスワーゲンによるディーゼルエンジン排ガス不正問題が発覚して、既に一ヶ月以上が経ちます。ただ全容が未だに判明しておらず、つい最近もVWグループであるポルシェ・カイエンなど1万台に新たに不正がアメリカで見つかったとか。

この問題の煽りを受けて、ディーゼル車が販売されてない日本でもフォルクスワーゲンの新車販売台数は前年比で5割減(2400台前後)まで落ち込んだそう。これで底を打ったかはやはり疑問で、更に「ガソリン車にも不正してる?」というウワサも出てきてる中、これからVWがますます苦境に立たされることは間違いなさそう。

ただ今回のVWが起こした問題に関して、自動車評論家や自動車サイトはほとんど言及していないとネット上の一部では批判が起きてるとか。中でも槍玉に挙がってるのが国沢光宏さんだそう。多分一番有名だから?

国沢光宏がVW不正問題を語ったけどイマイチ?
ベストカー11月26日号
この国沢光宏さんがついにネット上の批判に反論しました!どんな内容だったのか見てみたいと思います。少し長文。



NOxとは何か?という話に終始

ざっくり結論から書くと、「NOxとは何か?」という話に半分以上ページを割いています。理由は、国沢さんが叩かれてる原因は「NOxに甘いから」と自己分析しているから。何故そう思ったのかは不明。

ちなみにNOxはディーゼル車から排出される有害なガスで、これをフォルクスワーゲン車はバンバン排出してました。ただディーゼル車はその反面として、二酸化炭素の排出量が少ない。つまり「一般的な基本的情報」を今更ズラズラと書いてるにすぎない。

ただ、おそらく批判しているネットユーザーの大半は「企業との癒着」を疑問視してるのであって、NOxどうのこうのという反論は正直的外れ。フォルクスワーゲンの提灯記事を書いたのか書かなかったのか、一番気になる部分は一切触れられていません。意地悪な見方をすると、意図的に論点をズラしてるように思えます。

そして国沢光宏さんは、各国で規制がどんどん強化されるから、急速にNOxによる悪影響は減っていると主張されています。でもこの規制に対応できないから、フォルクスワーゲンはアメリカで不正を働いたんでしょ?っていう話。

また「NOxと二酸化炭素のバランスを上手に取っていきましょうという状況の中で発生した」と結論付けるなど、遠回しにフォルクスワーゲンの所業を肯定してるように聞こえます。当然トヨタ自動車やマツダ自動車、BMWなどは不正をしてない(少なくとも現段階では)わけですから、この言い分だと他のメーカーも不正をしてるorしてても仕方ないと主張してるように聞こえます。これをトヨタの社長が聞けば激おこで、レクサスLSで成城のご自宅まで乗り込んでくるのではないでしょうか?

マツダ・クリーンディーゼル車を批判

もちろん国沢光宏さんがディーゼル車やディーゼルエンジン全般に甘い評論家さんだったら、こういった主張も頷けます。

でも前号の『ベストカー(11月10月号)』の「日本一は世界で見るとどのぐらい?」という企画では、国沢光宏さんはマツダのクリーンディーゼル車を歯切れ良く批判されてた。どんな内容が書かれていたかというと、「(マツダのクリーンディーゼル車は)残念ながらすべての点で世界のTOPに届いてない」「アメリカの厳しい耐久基準をクリアできれば高く評価できるのだけど」。もはや「こきおろす」レベルの厳しい批判。

一応説明しておくと、マツダのディーゼルは低圧縮化技術で、そもそもNOxをあまり排出しないらしい。でも、それにも自ずと技術的な限界もあるんでしょうから、各国の規制基準が厳しくなれば、それもどこまで通用するかは確かに疑問としてもありましょう。

とはいえ、フォルクスワーゲンに対するナマクラな評論と比較すると、このギャップには違和感を感じざるを得ません。少なくともマツダは不正を働いてないわけですから、フォルクスワーゲンに対してはこれ以上の苛烈な表現を用いて批判するのが自然。それを「NOxと二酸化炭素ガー」と一般論にすげ替えてるのを見ると、これではやはり何かウラがあると疑われても仕方ありません。

スズキのネガキャンを行うと高額報酬?

そして、某自動車評論家さんがツイッターで「VWに縁の深い旧知からスズキに関するネガレポートを定期的に行ってくれれば高額報酬。私は断ったけど金に転んだ輩は必ずいる」と衝撃告白。これは国沢光宏さんが依頼したともっぱらのウワサ。

国沢光宏 フォルクスワーゲンに甘いという批判に反論
この件についても国沢さんは言及・否定されています。

自分もこのツイート内容は、かなり荒唐無稽な陰謀論だと思います。まだ自動車メーカー側が主体的に工作するならまだしも、何故いっぱしの自動車評論家が他の評論家に依頼してネガキャンを行わなければいけないか。もちろん高額報酬の元手・原資は自動車メーカー側が出すにしても、方法論としては実に周りくどい。

仮にこういった工作が横行していたとしても、お互いユーザー層が異なるはずですから、フォルクスワーゲンがスズキを叩いたところでVWにどんなメリットが生まれるのか?もしVWが叩くとしたら外車販売台数を争ってるメルセデスベンツ、スズキを叩くならダイハツあたりじゃね?って話です。

ただこれに関しても「デタラメ」と言うだけで、言葉に力強さが欠けます。NOxの説明にページを割くより、このツイートの内容をもっとツッコむべきでしょう。「自動車メディアのイメージが下がった」どうのこうの、みなさん「国沢光宏の言葉」を聞きたいんだと思いますが、どこか他人事のように話してるように見受けられる。

だからこの記事では説得力がある言葉が少なくて、全体的に「のらりくらり」と交わされてる印象を受けます。インターネット上で批判してる方々の心にストンと落ちるものは何もないはず。それ故に荒唐無稽な話も「事実」のように見えてしまうから不思議。

ステマや提灯記事そのものを否定するつもりは個人的にありませんが、やはりみんなお金は大好きですから(笑)、そこにがんじがらめになっちゃってるとしたら本末転倒だよなと。せめて「生涯VW好き」ぐらいは宣言しておかないと、「私は何も縛られていない」と言ったところで色々と整合性が取れない気はしました。

日本のマスコミ自体がどうなん?

ただ国沢光宏さんが、自動車評論家さんがどうこうってより、そもそも日本のジャーナリズムのレベル自体がどうなん?という疑問。政治でも官房機密費あたりで養われている子飼いのジャーナリストや記者もたくさんいそう。落ち目の池上彰あたりも胡散臭い。

考えてみると、世界的に活躍するor知名度が高い日本の報道機関はない。例えば外国人に「読売新聞を知ってるか?」と訊いても、「は?なにそれ?」と返ってくるのがオチ。VW問題でもソース元の多くは海外メディア発信ということを考えても、日本メディアの取材力はお察し。

少なくとも、日本の自動車産業が「グローバルな戦場」で戦っているのに対して、日本のマスコミの人たちは「ローカルな運動場」でコソコソと談笑してるだけ。日本の報道機関やジャーナリストさんが凋落するVWを笑っていられるのか?という気もします。

ちなみに、この記事は国沢光宏さんに対するものであって、フォルクスワーゲン社に対する批判記事ではありません。ボクは今でもゴルフやポロが大好きなので、VWには割りとマジで再起・勃興して欲しいと思ってます!(*´ω`*)媚

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