2015年4月26日日曜日

燃料電池車 (FCV)の価格が高すぎるワケとは?

燃料電池車(FCV)のミライの価格が高いワケ
昨年末にトヨタの燃料電池車ミライが発売されてしばらく経ちます。ミライの納車に至っては2018年頃というウワサ。もともとの生産計画自体が控えめでしたが、それでも順調な滑り出し。ホンダ自動車も燃料電池車の発売を控えてる。

ただトヨタ・ミライの価格が723万。行政からの補助金があるといっても、正直知れてるレベル。燃料電池車(FCV)が普及する最大のハードルがあるとしたら、その一つが価格面。

でも電気自動車の日産リーフの価格は300万円未満。じゃあ何故ここまで電気自動車と価格差が開き、燃料電池車の価格が高いのかor下がらないのか?


プラチナ触媒が高価すぎる

燃料電池車が走行する原理としては、補充した水素と空気中の酸素を反応させることで電気が発生。それを利用してエンジンのモーターを回転させている。小中学校の理科の実験でやった、水に電気を通すと水素と酸素が発生する「電気分解」の逆バージョン。

ちなみに、その電気分解から裏返し的に分かることは、FCVの燃料である水素を作るには大量の電気が必要ということ。FCVは環境に優しいと言われますが、結局、電気自動車と変わらないんじゃね?と指摘される部分もそこ。

やや脱線したので話を元に戻すと、ただ水素と酸素も燃えやすい性質があるので危険っちゃ危険。そこで登場するのが「イオン交換膜」という触媒。水素と酸素のどちらも遮って、水素のイオン(電荷を帯びた原子)だけ通す。だから燃料電池車が爆発する危険性が減る。

そして、その「イオン交換膜」に使われているのがプラチナ。特に女性が好きそうなフレーズですが、誰も知ってる貴重かつ高価な貴金属。言うまでもなく、めちゃめちゃ高い。もし最愛の女性にプラチナのネックレスがほしいとせがまれたら、きっと粘っこい冷や汗しか出ない(;´Д`)

プラチナの生産量が少ない

じゃあプラチナが何故高価なのかと考えたら、そもそもの生産量が少ないということ。自分のような素人でも簡単に想像できますが、鉄や銅のようにやたらめったら生産できるしろものじゃない。

そこでどれだけプラチナの生産量が限られてるかというと、もし全世界の自動車を燃料電池車として発売したとすると、わずか数%分しかまかなえない量。

だから燃料電池車(FCV)を普及させようとしても価格以前に、そもそも物理的に燃料電池車を大量生産できない。つまり金銭的なネックが解消されて全世界の人がFCVをほしいと思っても、限りなく最大でもわずか数%の人しかFCVに乗れない。

じゃあ水素ステーションなどを普及させても意味があるの?と思わず疑問も抱いてしまう。正直、自動車メーカーも無責任と思わなくはないですが、おそらくトヨタ自動車もホンダ自動車も「いずれはプラチナに代わる触媒」を開発・研究できると踏んでるんだと思う。少し前に自動車メーカーの研究費は3兆円超えという記事を書きましたが、燃料電池車(FCV)の将来性にかけた研究も含まれてるはず。

燃料電池車の価格のあり方を調べてみると、なかなか想像以上に燃料電池車の行く末も多難だな―と。ちなみに、自動車そのものの価格が安くならない理由も近々公開。

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