2014年7月5日土曜日

タクシー ミニバン化で何が変わる?

日産は今秋、「1987年式セドリック」をもとにしたセダン型タクシー専用車の生産を終了する。今後のタクシー用車両は、2010年から販売しているミニバン「NV200バネット」のタクシー仕様車に一本化する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140704-00050106-yom-bus_all
タクシーに使われてる車種と言えば、その多くが「セダン車」だった。ただこれからは「ミニバン車」に変わる。アメリカのニューヨークでは、日産のミニバン「NV200バネット」がタクシー車両に導入されることが決定してますが、日本もそれに追随していく形。

じゃあ、そこでこれからどういう変化をもたらすか様々な角度から検証してみたいと思う。


セダン車がますます衰退

言うまでもなく、セダン車のジャンルがますます衰退していく。

タクシー仕様の車両を生産してたのは、主に日産とトヨタ。今回日産がセダンタイプの生産を打ち切ることを発表した訳ですが、トヨタも2020年までにセダンタイプの生産を中止予定。

街中を歩けばタクシーを一日一台以上は見かけますが、今後はそれだけセダン車を見かける機会も減るということ。「セダン車=高級車」というイメージがますます定着しそう。

「地域の足」化が進む

ミニバンはドアの開口部分も広いので、お年寄りでも乗り降りしやすくなる。セダン車だからタクシーを敬遠してた高齢者も多そうですから、今後は高齢者の利用が増える可能性が高い。また福祉車両としても多く使われるミニバンだから、車椅子利用者も利用しやすくなる。

今後タクシーは、バスなどの代わりに「地域の足化」が更に進んでいきそう。例えば行政側がバス路線を廃止する代わりに、タクシーチケットの配布など行われそう。

タクシー運賃が上がる?

タクシーの運賃は車体サイズで異なってて、当然大型車になるほど運賃が高くなる。現在は中型のセダン車が多い。

ということは、これから大型のミニバンが普及していくので、全体的なタクシー運賃が上昇しそう。

タクシーを発見しづらくなる?

しつこいですが、現在タクシーはセダン車が多い。とは言え、一般レベルで言うとセダン車は不人気なジャンル。それだけ街中にセダン車は少ない。だからこそ街中でタクシーが走ってても目立って、一瞬でタクシーを発見することも可能だった。

でもミニバンという、ある意味ありふれた車種がタクシーとして一般的になったらどうだろう。「え?今のタクシー?」と一瞬戸惑って、手を挙げるのを躊躇しそう。スマホや電話で予約してれば別ですが、街中でフラッと気軽に乗れなくなりそう(やや大袈裟か)。

燃費はむしろ改善する

トヨタが生産販売してるセダンタイプ「コンフォート」の燃費は、リッター9.8~11.0キロ。しかも10・15モードだから、現在のJC08モード換算だともっと下がる。お客は気付きませんが、実は現在のセダン型のタクシー車両ってかなり燃費が悪い。

ただ日産のミニバンタイプのタクシー「NV200バネット」の燃費は、リッター14.0キロ。決して褒められる数字ではないものの、現行のセダンタイプのタクシーより燃費が良い。

だからタクシー会社の企業努力で、やっぱり運賃が安くなる可能性も? 浮いた燃費の分はドライバーさんのお給料に反映?

ただミニバン型だと、乗車可能なお客の人数が増える。お客や荷物を載せた分だけ、状況によっては却って燃費は悪化しそう。

…などなどを考えていくと、あまりお客側に大きくメリット・デメリットをもたらす部分ではなさそう。 

タクシーによる事故が増える?

ミニバンは一般的に、セダンより運転しづらいはず。例えば、車体サイズが大きいので、狭い路地には入りづらい。

最小回転半径も違う。トヨタ・コンフォートだったら5.0メートルのところ、日産・NV200バネットは5.2m。それだけミニバンはハンドルの取り回しがしづらい。スピードを出しすぎるとロールも激しくなりがち。

そう考えると今後、タクシーによる事故が増えそう

あと現在働いてるタクシードライバーの大半は、高齢者。会社を退職した人が、第二の人生を始めるためにタクシードライバーになったとか結構ザラ。だから現在でも、タクシーは事故がそもそも起こりやすい状況。

今後がどうなっていくのか注目したい所。

相乗り乗車も増える?

セダンタイプよりも、ミニバンタイプは「乗員数」がアップする。具体的に言うと、4人から6人(運転手除く)。

逆に運転手の立場で考えると、それだけムダなスペースが生まれる可能性が高い。だから今後は、教習所の送迎バスのように相乗りも増えそう。

民主党政権が…いやもっと前から?、日本政府はビザの発給要件が緩和して以降、日本への外国人旅行者は、ずっと増加傾向。去年の訪日外国人が1000万人を突破。ましてや2020年には、東京でオリンピックが開催される。

そういうことも手伝って、相乗りのスタイルがタクシーでも定着するかも。結果的に運賃も安くなれば、潜在的な需要もありそう。

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