2014年5月18日日曜日

自賠責と任意保険の違いを比較してみた【自動車保険選び】


自動車保険選びで、まず初心者が分からないのが「自賠責保険」と「任意保険」の違いだと思う。

ものすごく簡単に言うと、自賠責保険が国民年金であり、任意保険は厚生年金のようなもの。



任意保険は厚生年金、自賠責保険は国民年金

自賠責保険は、国民年金と同じようなもの。つまり、『義務』。ドライバー全員に強制的に加入させられる。だから、一般的に強制保険とも言われてる。もっと厳密に言えば、ナンバープレートが付いてる自動車を保有してるドライバー全員が加入する義務がある。

一方、任意保険は名前の通り、まさに『任意』。加入する義務はない。とは言え、任意保険に入ってる人は多い。

何故なら、義務である自賠責保険にプラスできる保険だから、色んな補償が充実させられる。まさに国民年金の上に乗っかってる、厚生年金的存在。いわば「二階建ての構造」になってる。

つまり、任意保険に加入してるに越したことはないのだ。

初心者ほど知りたい、任意保険に加入する意味


最近自動車に乗り始めたドライバーさんは分からないかも知れないですが、とにかく昨今は賠償金額がどんどん跳ね上がっている。やはり被害者を大事にしようという風潮が、裁判所や司法の中でも広まっている。

じゃあ、もし自分が交通事故で相手ドライバーを死亡させてしまった場合、また家族が死亡してしまった場合、賠償金額はどのように算出されるんだろうか。

簡潔に言うと、もし今死んでなかったら「今後どれだけ賃金を稼いだか」によって変わってくる。要するに、生涯賃金というやつ。

つまり残酷な話ですが、フリーターや無職といった人と、弁護士さんやお医者さんといった職業に就いている人とでは、死んだ時に賠償される金額がかなり変わってくる

もちろん弁護士さんやお医者さんの中でも収入格差はあるんでしょうが、それでもやはり一般的な人たちより多くお給料を貰ってるのは間違いない。だから、もし弁護士さんなどを轢いて死なせてしまった時の、賠償額が「億超え」なんていうのもザラだとか。

じゃあ自賠責保険でそれを払えばいいじゃないかって話なんですが、実はそうはいかない。

自賠責保険の賠償金額は最大4000万円

何故なら、自賠責保険で対応してる補償金額が、最大で4000万円。ただし、それは一定の条件に満たした場合に限るので、死亡・後遺障害による補償額は一般的に3000万円程度と考えた方がいい。

治療費は最大120万円。軽いケガならこの額でもいいですが、たとえ後遺症が残らなくても、大きいケガをさせてしまった場合、やはり物足りない。

これじゃあ全然、もしケガや死亡させてしまった被害者の方も納得できない。ちなみにドラマでは「謝罪が足りない」と加害者に誠意を迫る場面がありますが、なんだかんだ最終的にはお金で対応するしかないのが悲しい現実。

任意保険の賠償金額は無制限

そこで大事な役割を果たすのが、任意保険。何故なら、賠償金額は上限なしで無制限に支払われる。もちろん、その分だけ支払う保険料も高いんですが、いざという時は安心。

ちなみに自賠責保険にも良い部分があって、金額が多くない分だけ、被害者にも落ち度があった場合でも、保険金が全額支払われることが多い。具体的には、被害者の過失が70%未満。

ケガの場合でも、被害者の過失が100%でなければ最低80%は補償してくれる。死亡・後遺障害でも、被害者の過失が90%以上あったとしても50%の補償をしてもらえる。

自賠責保険が補償できる対象が、人間相手のみ

つまり自賠責保険は、とにかく「被害者保護」の観点で設計されてる制度。もちろん素晴らしい保険システムではあるんですが、逆に言うと、「被害者」しか目が向いていない

だから自賠責保険の対象となるのは、あくまで「人間相手」のみ。つまり自賠責保険では、コンビニや電柱に突っ込んでしったりした自損事故・物損事故はカバーされない。自損事故などを起こした場合、全額自己負担ということ。これはなかなか痛い。

任意保険が補償できる対象は、人+物+自分+同乗者etc

そこで自賠責保険のスキマや穴を埋めてくれるのが、任意保険。

「対人賠償保険」「対物賠償保険」「搭乗者傷害保険」「人身傷害補償保険」「自損事故保険」「無保険者傷害保険」「車両保険」などなど、色んなサービスが用意されてる。

同乗者に対しても補償してくれる「搭乗者傷害保険」などは、奥さんやお子さんと一緒に乗る機会が多い人には必須かも。相手の自動車が無保険車だった場合でも補償してくれたり、あらゆるパターンの交通事故に対応できるので、とにかく保険料さえ支払えば至れり尽くせり

自賠責と任意で、被害者との示談交渉は違ってくる?

当然、交通事故を起こして相手をケガさせたり死亡させてしまったら、どうすれば納得してもらえるか「被害者の方と示談交渉」をする必要がある。

ただここでも自賠責保険と任意保険では、いろいろ違ってくる。

自賠責保険では、「自分」が相手と直接交渉しなければいけない。でも任意保険では、「保険会社に代行」してもらうことが可能。つまり知識があるプロの方に、事の収拾・示談交渉に当たってもらえる。これはつくづく安心だと思う。

ちなみに自分は小学生の頃に、交通事故で軽く数メートルばかり吹っ飛んだことがある。加害者のお兄ちゃんお姉ちゃんたちは、俺のことをただ呆然と突っ立って見てるだけ。じゃあ彼らが薄情な人間だったかと言えば、むしろ普通の人間。それが当たり前の反応。

そして、賠償の問題などは親が対応にあたったのを漠然と覚えてるんですが、その時、相手の加害者さんは保険会社にちゃんと代行してもらってたと思う。あんなに茫然自失とした状態で示談交渉できるとは、子供ながらに到底思えなかった。

正直、交通事故は突然起きるし、起こすもの。何の前触れもなく、自分は加害者にもなって被害者にもなる。当然、何も準備ができてない状態で、示談交渉に巻き込まれる。ましてや、ズブの素人。一体その時に自分は何が出来るんだろう…という話。

他にも弁護士費用を出してもらえる契約もあったりして、自動車の修理費用はどうすればいいか…ということも大事ですが、是非任意保険に加入する前には考えておきたいこと。

自賠責保険は、車検時に支払う

ちなみに自賠責保険は、車検時にまとめて数年分支払う。だから車検が新車時は3年、それ以降は2年ペースで行うので、自賠責保険もそれに合わせて支払う。

つまり、車検を行わなかったり、自賠責保険を支払ってない自動車は行動を走ったらアウツってことです。

自賠責保険の未加入は、1年以下の懲役

ちなみに自賠責保険に未加入状態の自動車で行動を走った場合、どういう罪が待っているのか。それが1年以下の懲役、または50万円以下の罰金。それは刑事罰ですが、他にも免許停止処分という行政罰も待ってるので注意。

ただ無保険(自賠責保険未加入)のまま走ってる人が多いのも現実で、だからこそ、そんな自動車と交通事故を起こした場合にも補償してもらえる任意保険には是非加入しておきたい。

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